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2020/08/18

コラム

売買、賃貸、引っ越しでもめる…。不動産トラブルのよくあるパターン

土地や建物といった不動産は、人生で最も高額な買い物の1つです。たとえ不動産価額の数%程度の損害であっても、元の額が大きいため金銭的な被害も大変大きくなります。

不動産を自己所有せずに賃貸している人にとっても、住居は日常的に使うものであることに変わりはありません。何らかのトラブルが発生するとその影響は日常生活にまで及び、場合によっては仕事が手につかなくなったり、精神的な負担が大きくなったりといった実害が出てきます。


ここでは、不動産にまつわるトラブルの典型的なパターンや対処方法を説明していきます。以下に挙げたトラブルに巻き込まれたり、または予兆を感じたりしたら、手遅れにならないうちに弁護士に相談すると良いでしょう。


1.売買契約に多いトラブル

(1) 仲介手数料は法律で決まっていると業者側に言われ、値引き交渉に応じてもらえなかった

確かに仲介手数料は法律に規定がありますが、それはあくまで「上限額」に関するものです。下限に関しては特に定められていません。

このことを隠して「法律で決まっている」と言って交渉にすら応じない業者は不誠実と言えます。


(2) 仲介手数料以外にコンサルティング料金などを請求された

仲介のみを依頼しており、コンサルティングの依頼をしていないのに請求された場合は、はっきりと断りましょう。上記の仲介手数料の上限額に抵触する可能性があります。また、コンサルティング契約を仲介契約と同時に結ぶように要求してくる業者もいます。こういった業者とは取引を控えるか、自治体の担当部署へ通報しましょう。


仲介契約を行う際は、コンサルティング契約が含まれていないか確認してください。


(3) 媒介契約を解約したら、料金を請求された

媒介にまつわる仲介手数料は成功報酬です。解約した場合、通常は料金が発生しません。

ただし、特別に何かを依頼して実費が発生した場合、実費の分は業者に払う必要があります。例えば都会の業者に「僻地の物件を見てきて欲しい」などと依頼したら、交通費が発生します。そういった費用以外は支払う必要ありません。


(4) 不動産の売買契約を解除したのに手付金を返してもらえない

手付金は法律上「解約手付」として扱われます。買主は解約手付を放棄して契約の解除をすることができます。逆に言えば、買主は契約を解除するために解約手付を放棄する必要があるのです。つまり手付金は返ってきません。

逆に、売主から契約を解除する場合は手付金の倍額を買主に支払う規定があります。たまに「契約の解除をしたいから手付金を返す」と手付金をそのまま返還してくる業者がいますが、買主は倍額をもらう権利があります。


手付金の返還に関しては個別具体的に判断する必要性もあるため、納得ができない場合は弁護士に相談するのが得策です。

また、契約の際には解約するようなことがないように様々な条件をよく確認し、トラブルを未然に防いでください。


(5) 手付金を払ったら業者が倒産した

不動産業者は、買主から受け取った手付金等について一定の場合には、保全措置を行う義務があります。保険会社の保険などで手付金が保全されるので、手付金は全額返還してもらえます。

契約の際は手付金の保全がされるかを確認し、保険証書等を交付してもらいましょう。交付がない場合は手付金の支払いを拒否できます。


ただし、場合によっては手付金の一部しか返還されないことがあります。そういった事態に陥ったら弁護士等に相談するとよいでしょう。



2.賃貸借契約に多いトラブル

(1) 物件の設備に不備があった

物件をしっかり下見してから賃貸借契約をしても、実際に住んでから初めて気づく不具合があるのが当たり前です。例えば、下見の時にあったエアコンが撤去されていたり、壊れていて動かなかったりなどの事例が存在します。

こういった場合、まずは契約内容を確認しましょう。設備としてエアコンが挙げられていれば、借主は貸主に対してエアコンの設置を請求することができます。


また、エアコンが壊れていると貸主に連絡した場合、大家側から「前の借主が残していっただけだから修理費は負担しない」と言われることもあります。残置物である以上、前の借主は所有権を放棄しており、現在の所有権者は大家であると思われます。このため、大家側が修理費を支払うケースが多いのですが、修理に関しては契約書に特約がある場合もあるので、契約時によく確認をしておきましょう。


(2) 他の入居者の騒音がひどくて眠れない

他の入居者による騒音がひどい場合、入居者同士で解決を図るのではなく、貸主や管理会社に連絡して注意してもらうようにしましょう。

貸主側には入居者が安心して生活できる環境を提供する義務があるとされています。騒音を排除して安眠できる環境の提供も貸主の義務と考えられており、貸主は何らかの対策を取らなければなりません。

直接騒音を発生させている人に対して苦情を申し立てると思わぬトラブルの原因になりかねないので、貸主側にお願いをするべきでしょう。


(3) 騒音により契約の更新を断られた(上記とは逆のパターン)

例えば、子供が叫んだり走り回ったりする騒音がひどくて、下の階の住人が何度も苦情を申し立てていると、不動産業者が次回の更新を断ってくる可能性があります。

騒音の程度にもよりますが、契約を解除するレベルの騒音でなければ一般的に賃貸借契約は更新され、基本的に転居の必要はありません。


しかし、生活する人間のマナーとして騒音防止の対策を講じる必要はあります。床に柔らかい防音マットを敷いたり、夜中に子供が叫ばないよう早めに寝かせたりなどの努力をしてみましょう。


(4) うっかり家賃を滞納し、退去を求められた

家賃の滞納は契約違反ですが、うっかり一度遅れてしまっただけでは退去する必要はありません。契約書に「滞納があったら即時退去する」旨の特約があったとしても、その部分は法的に無効とされています。

滞納してしまった場合は、すぐに滞納分の支払って、今後は気をつける旨を相手方に伝えましょう。


(5) 入居者が家賃を滞納して払ってくれない

大家の悩みの1つが家賃の滞納です。家賃が支払われないからといって即時契約を解除することはできず、おおよそ3ヶ月以上の滞納が解除可能な目安とされています。


入居者側に家賃を支払う能力や意思がない場合、大家側としては物件の明渡しを求めることになります。入居者が明渡しにも応じない場合は「建物明渡請求訴訟」を行う必要が出てきます。訴訟にあたっては弁護士に相談してみてください。



3.引っ越し時に多いトラブル

(1) 敷金精算トラブル

引越し時に最も起こりやすいトラブルが、敷金の清算に関するものです。大家側としてはできるだけ敷金を返したくなく、入居者側はできるだけ多くの敷金を返還して欲しいのが実情です。

敷金は「全額返還」が原則です。通常の使用によるキズや汚れなどの修繕費用は月々の家賃に含まれています。


国交省は、修繕費用を借主と入居者のどちらが負担するのかを記載したガイドラインを公開しています。ガイドラインに合わない内容の修繕費用を請求されたら、ガイドラインに従うよう交渉するか、弁護士に依頼して交渉してもらいましょう。


(2) 敷金を返してもらったが、振込手数料が引かれていた

契約上特別の定めがない限り、振込手数料は貸主側の負担です。民法上、債務を履行するための費用は債務者の負担となります。敷金はあくまで預り金であり、返還義務のある債務者は貸主なので、振込手数料も貸主が負担すべきとされています。


(3) 鍵の交換代を負担して欲しいと言われた

入居時または退去時に、鍵の交換費用を請求してくる業者がいます。これは、国交省のガイドラインで「貸主の負担」と明記されていますが、強制力がないのが実状です。

鍵の交換代を負担したくない場合、貸主に交渉をしてみてください。場合によっては受け入れられることもあります。



4.不動産トラブルの相談は田中法律事務所へ

不動産トラブルは、特に業者対入居者の場合、知識のある業者側が圧倒的に有利です。トラブルになった場合は知識の差を補うため、弁護士に相談することをおすすめします。

また、トラブルを予防するためにも、契約時には内容をしっかりと確認し、不明なことがあったら積極的に質問して解決を図りましょう。


広島県広島市の田中法律相談事務所では、不動産に関わるトラブル・紛争のご相談も承っております。広島市の他にも、東広島市、呉市、廿日市市、三次市、福山市など、広島県全域よりお問い合わせ・ご相談可能です。

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